いちばん小さな RAG を、端から端まで作る
第0章で RAG の流れ(質問 → 探す → 集める → 読ませる → 答える)を見て、第1章で「読ませる」側の LLM の性質を見ました。この章では、その流れ全体を、いちばん素朴な部品だけで、端から端まで組み立ててみます。
なぜ「素朴な形」から始めるのでしょうか。理由は2つあります。
1つ目は、全体像がつかめるからです。RAG の本や記事には、リランキング、ハイブリッド検索、GraphRAG…と、たくさんの手法が出てきます(名前は今は覚えなくてかまいません。後の章で1つずつ説明します)。でも、それぞれが「流れのどの段を、どう良くする話なのか」は、素朴な形を知らないと見えません。
2つ目は、実務でもこれが出発点だからです。最初から全部入りの仕組みを作るより、まず一番簡単な形を動かし、実際の質問で試して、失敗した段だけを直していくほうが、ずっと早くうまくいきます。
この章で作る RAG は、資料が数百〜数千件くらいまでなら、そのまま動きます。コードは TypeScript で書きますが、Python でもやることは同じです。
※この章は 2026年9月時点の情報をもとにしています。ライブラリや製品の名前、API の書き方は変わりやすいので、使うときは公式の資料で確かめてください。