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Cloudflare のすべて ― 1機能ずつ、仕組みと存在理由から / 全35本

Cloudflare 09:ルール ― エッジの「もし〜なら」

発行
アニメモ公式
版
第2版
改訂
コマ
全14

サーバーを触らずに、転送・URL の書き換え・ヘッダーの追加・行き先の振り分けをする Cloudflare のルールを説明します。共通のルール式、Redirect Rules と Bulk Redirects、Transform Rules、Origin Rules、Configuration Rules ほか、旧 Page Rules からの移行、料金と落とし穴まで。

なぜ、サーバーを触らずに振る舞いを変えたいのか

サイトを運営していると、次のような「ちょっとした変更」が次々に出てきます。

やりたいこと例
URL の引っ越しサイトを作り直して、/2019/post-a を /posts/post-a に変えた
ドメインの統一example.com に来た人を www.example.com へ案内したい
ヘッダーの追加安全のためのヘッダーを、全ページの応答に付けたい
行き先の振り分け/blog だけは、別のサーバーで動くブログに送りたい

これらは、どれもオリジンのサーバーの設定やアプリのコードで実現できます。でも、サーバーが複数あれば全部を直す必要があり、直し忘れが出ます。外部のサービスや古いシステムのように、そもそも触れないサーバーもあります。設定を変えるたびにデプロイするのも手間です。

ここで思い出したいのが、Cloudflare を使っていれば、すべてのリクエストが必ずエッジを通るという事実です。だったら、こうした判断をエッジでまとめて行えばよいのです。サーバーは何も知らなくて構いません。

Cloudflare のルールは、このための仕組みです。この号では、ルールの種類と、全部に共通する「条件の書き方」、そして旧来の Page Rules からの移り変わりを見ていきます。

※この号は 2026年9月時点の情報をもとにしています。ルールの種類・本数の上限・提供プランは変わることがあるので、公式のドキュメントで確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
  • 1 / 14
  • なぜ、サーバーを触らずに振る舞いを変えたいのか
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • /old-page へ
  • 古い URL を新しい URL へ
  • 利用者
  • 安全のためのヘッダーを全ページに
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • /blog だけ別のサーバーへ
  • あなたのサーバー
  • サーバーごと・アプリごとに直すと、手間も漏れも増える。直せないサーバーもある
  • 利用者は必ずエッジを通る。だったらエッジで決めればよい
  • URL の引っ越し・ヘッダーの追加・行き先の振り分け。毎回サーバーを直すのは重い。

一言でいうと:エッジで「もし〜なら、〜する」

Cloudflare のルールは、どれも同じ形をしています。

もし(条件)なら、こうする(やること)。

条件は「どのリクエストか」を表すルール式、やることはルールの種類ごとに決まっています。管理画面の Rules の下に、種類ごとの画面が並んでいます。

種類やること利用者から見ると
Redirect Rules・Bulk Redirects別の URL へ転送するアドレス欄の URL が変わる
Transform Rules(URL)オリジンに届く URL を書き換える変わらない
Transform Rules(ヘッダー)リクエストや応答のヘッダーを変える変わらない
Configuration Rules一部のパスだけ設定を変える変わらない
Origin Rules行き先のサーバーやポートを変える変わらない
Cache Rulesキャッシュの扱いを変える(02号)変わらない

大事なのは、種類ごとに「当たる段」が決まっていることです。エッジの中では、リクエストが決まった順番で段を通り、それぞれの段で、その種類のルールが評価されます。図のように、おおまかには「転送 → 書き換え → 設定・行き先 → キャッシュ」の順です。

正確な順番は、管理画面の Rules の概要ページや、公式の「Traffic sequence」の図で確かめられます。順番を知っておくと、「書き換えた後の URL で次のルールが判定される」といった動きが理解しやすくなります。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • 一言でいうと:エッジで「もし〜なら、〜する」
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • リクエスト
  • 転送:Redirect Rules・Bulk Redirects
  • 書き換え:URL(Transform Rules)
  • 利用者
  • 書き換え:ヘッダー(Transform Rules)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • 設定:Configuration Rules
  • あなたのサーバー
  • 行き先:Origin Rules
  • キャッシュ:Cache Rules(02号)
  • どのルールも「条件(ルール式)」+「やること」。管理画面の Rules から作る
  • 種類ごとに役目が違う。上から、転送 → 書き換え → 設定・行き先 → キャッシュ
  • 条件と動作の組をルールと呼ぶ。種類ごとに、決まった段で当たる。

ルール式:条件の書き方は全部共通

ルールの条件は、ルール式(Rules language)で書きます。Wireshark というネットワーク解析の道具の書き方をもとにした言語で、転送・書き換え・キャッシュ・WAF(05号)・レート制限(06号)まで、全部同じ書き方です。1度覚えれば、Cloudflare のあちこちで使い回せます。

式は「項目 演算子 値」の組み合わせです。

http.host eq "old.example.com"
starts_with(http.request.uri.path, "/blog/")
ip.src.country ne "JP" and http.request.uri.path contains "/admin"
よく使う項目中身
http.hostホスト名
http.request.uri.pathパス(/blog/hello)
http.request.uri.query? の後ろ
ip.src送り元の IP アドレス
ip.src.country送り元の国
http.request.headers["..."]リクエストのヘッダー

演算子には、eq(等しい)、ne(等しくない)、contains(含む)、in(一覧のどれか)、and・or・not などがあります。starts_with() や ends_with()、lower() のような関数も使えます。

はじめのうちは、管理画面の式ビルダーを使うのがおすすめです。項目・演算子・値をプルダウンで選ぶと、式が自動で組み立てられ、「Edit expression」で文字の式として確かめられます。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • ルール式:条件の書き方は全部共通
  • # パスが /blog/ で始まる
  • http.host
  • ホスト名
  • starts_with(http.request.uri.path, "/blog/")
  • # ホストが old.example.com
  • uri.path
  • パス
  • http.host eq "old.example.com"
  • uri.query
  • # 日本以外から、/admin に来た
  • ? の後ろ
  • ip.src.country ne "JP" and
  • ip.src
  • 送り元の番号
  • http.request.uri.path contains "/admin"
  • ...country
  • 国
  • 画面の「式ビルダー」で選べば、式は自動で組み立てられる
  • 「どのリクエストか」を式で書く。WAF(05号)とも同じ書き方。

Redirect Rules:別の URL へ案内する

Redirect Rules(Single Redirects とも呼ばれます)は、条件に当たったリクエストに対して、エッジがその場で 301 や 302 の転送を返すルールです。オリジンには何も届きません。利用者のブラウザは、返された新しい URL に行き直します。

例えば、「old.example.com の全ページを、同じパスのまま www.example.com へ」という転送は次のように書きます。

条件:   http.host eq "old.example.com"
転送先: 動的(Dynamic)
  concat("https://www.example.com", http.request.uri.path)
状態コード: 301
クエリ文字列を残す: オン

転送先は、固定の URL(Static)か、元の URL の一部を組み込んだ式(Dynamic)で書けます。concat() で文字をつなげ、http.request.uri.path で元のパスを取り出します。

状態コード意味使いどころ
301恒久的な移動引っ越しが確定したとき。検索エンジンも新しい URL を覚える
302一時的な移動試しているとき・期間限定のとき
307・308301・302 と同じだが、POST などをそのまま保つフォームの送信先を移すとき

転送をエッジで返す利点は、速いことと、オリジンが要らないことです。旧ドメインのサーバーを止めても、転送だけは Cloudflare が続けてくれます。ただし、その名前の DNS の行(オレンジ)は必要です(01号)。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • Redirect Rules:別の URL へ案内する
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ← 301 新しい URL
  • 転送:Redirect Rules・Bulk Redirects
  • 書き換え:URL(Transform Rules)
  • 利用者
  • 書き換え:ヘッダー(Transform Rules)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • 設定:Configuration Rules
  • あなたのサーバー
  • 行き先:Origin Rules
  • キャッシュ:Cache Rules(02号)
  • 例:old.example.com の全ページを、同じパスのまま www.example.com へ
  • 転送先は固定の URL か、元のパスを組み込んだ式(concat など)で作る
  • オリジンに行かず、エッジが 301/302 を返す。利用者は新しい URL へ。

Bulk Redirects:何千件の転送を一覧で

サイトを作り直すと、「この URL はこの URL へ」という転送が数百、数千件になることがあります。1件ずつ Redirect Rules を書いていては、本数の上限にすぐ届きます。そこで使うのが Bulk Redirects です。

Bulk Redirects は、転送元と転送先の一覧(リスト)を作り、それを有効にするルールを1本置く、という2段の仕組みです。リストは CSV でまとめてアップロードできます。

source_url,target_url,status_code
example.com/2019/post-a,https://example.com/posts/post-a,301
example.com/2019/post-b,https://example.com/posts/post-b,301
shop.example.com/,https://example.com/shop,301
比べる点Redirect RulesBulk Redirects
決め方式(パターン)一覧(1件ずつの対応表)
向いている「このホストの全部」のような規則的な転送規則の無い、大量の個別の転送
範囲ゾーン(ドメイン)ごとアカウント全体。複数のドメインをまたげる

規則で書けるなら Redirect Rules、書けないなら Bulk Redirects、と使い分けます。リストの各行では、サブドメインも含めるか、パスの下も含めるか、クエリ文字列を残すかといった細かい指定もできます。

リストに登録できる件数は、プランによって違います。大量の転送を予定しているなら、先に公式の上限を確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • Bulk Redirects:何千件の転送を一覧で
  • https://example.com/2019/a
  • → https://example.com/posts/a
  • https://example.com/2019/b
  • → https://example.com/posts/b
  • https://shop.example.com/
  • → https://example.com/shop
  • …(CSV で数千件)
  • Redirect Rules
  • Bulk Redirects
  • 式で決まる転送。ゾーンごと
  • 一覧で決まる転送。アカウント全体
  • 「この URL はこの URL へ」の表をアップロード。式は書かない。

URL 書き換え:見える URL はそのまま、中身だけ変える

Transform Rules の1つ、URL の書き換え(Rewrite URL)は、転送と似ていますが、動きがまったく違います。

比べる点転送(Redirect)書き換え(Rewrite)
誰に伝えるか利用者のブラウザに「あっちへ行け」と返す誰にも言わず、オリジンに届く URL だけを変える
アドレス欄新しい URL に変わる変わらない
往復1回増える増えない

例えば、利用者には /blog/hello というきれいな URL を見せたいが、古いブログのアプリは /posts?slug=hello という形でしか受け付けない、という場面です。書き換えを使えば、アプリを直さずに済みます。

条件: starts_with(http.request.uri.path, "/blog/")
パスを書き換え:  "/posts"
クエリを書き換え(動的):
  concat("slug=", substring(http.request.uri.path, 6))

substring(文字, 6) は、先頭の6文字を飛ばした残りを取り出す関数です(数え方は0から)。/blog/ の6文字が飛ばされて、hello だけが残ります。

正規表現を使った書き換え(regex_replace() など)もありますが、上位のプランに限られます。

書き換えは、この後の段(Origin Rules や Cache Rules など)が見る URL も変えます。後の段の条件を書くときは、書き換えた後の URL で考える必要があることに注意してください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • URL 書き換え:見える URL はそのまま、中身だけ変える
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • /blog/hello
  • 転送:Redirect Rules・Bulk Redirects
  • 書き換え:URL(Transform Rules)
  • 利用者
  • 書き換え:ヘッダー(Transform Rules)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • 設定:Configuration Rules
  • あなたのサーバー
  • 行き先:Origin Rules
  • キャッシュ:Cache Rules(02号)
  • /posts?slug=hello
  • 転送(redirect)は利用者に「あっちへ行け」と返す。書き換え(rewrite)は黙って中身を変える
  • 使いどころ:古いアプリの URL の形を隠す・パスを並べ替える・? の後ろを足す
  • 利用者のアドレス欄は変わらない。オリジンにだけ別のパスで届く。

ヘッダーの書き換え:足す・消す・変える

Transform Rules のもう1つの仕事が、ヘッダーの書き換えです。向きが2つあります。

向き変えるもの例
リクエストオリジンに届くヘッダー目印を付ける、不要なヘッダーを消す、国の情報を渡す
レスポンス利用者に返るヘッダー安全のためのヘッダーを足す、サーバーの情報を隠す

やることは3つです。Set(値を入れる。無ければ足す)、Add(同じ名前がもう1つあっても足す)、Remove(消す)。値は固定の文字列でも、式から作ることもできます。

# レスポンス:全ページに安全のためのヘッダーを
条件: true(すべて)
Set    X-Frame-Options   = "DENY"
Set    Referrer-Policy   = "same-origin"
Remove X-Powered-By

# リクエスト:オリジンに国を伝える(動的)
Set    X-Country = ip.src.country

X-Frame-Options は、ほかのサイトに自分のページを埋め込ませない(クリックジャッキング対策)ためのヘッダーです。X-Powered-By は、サーバーの種類や版を外に教えてしまうので、消すのが定番です。

よく使う組み合わせは、Managed Transforms としてスイッチ1つで有効にできるものがあります。例えば、利用者の住んでいる地域の情報をリクエストに付けるもの、オリジンが付けた X-Powered-By を消すものなどです。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • ヘッダーの書き換え:足す・消す・変える
  • # リクエスト(→ オリジン)
  • # レスポンス(→ 利用者)
  • Set X-From-Cloudflare: 1
  • Set X-Frame-Options: DENY
  • Remove X-Debug
  • Set Referrer-Policy: same-origin
  • Set X-Country: ip.src.country
  • Remove X-Powered-By
  • 値は固定の文字列か、式(ip.src.country など)から作れる
  • よく使う組み合わせは「Managed Transforms」でスイッチ1つ
  • リクエスト側はオリジンへ、レスポンス側は利用者へのヘッダーを変える。

Origin Rules:行き先のサーバーを変える

Origin Rules は、リクエストをどのサーバーに届けるかを条件ごとに変えるルールです。

よくある使い方は、「1つのドメインの下に、パスごとに別のサーバーを並べる」ことです。example.com の本体はアプリのサーバー、example.com/blog は別のブログのサービス、という構成を、利用者から見て1つのサイトとして見せられます。

上書きできるもの中身
DNS の名前(Resolve override)行き先を、同じゾーンの別の DNS の行(例 blog-origin.example.com)にする
ポートオリジンの 8080番など、別のポートへつなぐ
Host ヘッダーオリジンに伝えるホスト名を変える
SNITLS でつなぐときに名乗るホスト名を変える
条件: starts_with(http.request.uri.path, "/blog")
DNS record を上書き: blog-origin.example.com
Host header を上書き: myblog.hosting-service.example

外部のサービスをオリジンにするときは、そのサービスが「自分宛ての Host ヘッダー」を求めることが多いので、DNS の名前と Host ヘッダーを一緒に変えます。

上書きの一部(Host ヘッダーや SNI など)は、プランによって使えないことがあります。使う前に、公式でプランごとの対応を確かめてください。行き先を「健康なサーバーの中から選ぶ」ところまでやりたい場合は、10号のロードバランシングを使います。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • Origin Rules:行き先のサーバーを変える
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • /blog/hello
  • 転送:Redirect Rules・Bulk Redirects
  • 書き換え:URL(Transform Rules)
  • 利用者
  • 書き換え:ヘッダー(Transform Rules)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • 設定:Configuration Rules
  • あなたのサーバー
  • 行き先:Origin Rules
  • キャッシュ:Cache Rules(02号)
  • ブログ用サーバー
  • 変えられるもの:行き先の DNS の名前・ポート・Host ヘッダー・SNI(一部は上位プラン)
  • 1つのドメインの下に、別々のサーバーを並べられる(パスで振り分け)
  • /blog だけ別のサーバーへ、ポートを変える。利用者からは同じサイト。

ほかのルール:一部だけ設定を変える

ここまでの4種類のほかにも、同じ「もし〜なら」の形をしたルールがあります。

ルールやること
Configuration Rulesゾーン全体の設定の一部を、条件つきで上書きする(セキュリティレベル、自動の最適化、SSL の一部の設定など)
Compression Rules応答の圧縮方式(Brotli・gzip・Zstandard など)を条件ごとに選ぶ
Cache Rulesキャッシュの対象・TTL・キャッシュキー(02号)
Snippets短い JavaScript を、条件に当たったリクエストに当てる(有料プラン)
Cloud Connectorパスごとに、クラウドのストレージ(R2 や他社のもの)へ振り分ける

Configuration Rules は、「管理画面のこの設定を、/admin の下だけ変えたい」というときに使います。例えば、ゾーン全体では有効にしている最適化の機能が、ある API のパスでだけ問題を起こす場合に、そのパスでだけ切る、といった使い方です。

Snippets は、ルールと Workers(18号)の中間にあるものです。式だけでは書けない、少しの計算やヘッダーの組み立てが必要なときに、数行の JavaScript で書けます。

さらに複雑な処理、例えば外部の API に問い合わせる、データを保存する、といったことが必要になったら、Workers の出番です。「まずルールで書けないか考え、書けなければ Snippets、それでも足りなければ Workers」と段階を上げていくのが基本の考え方です。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • ほかのルール:一部だけ設定を変える
  • Configuration Rules
  • 一部のパスだけ設定を変える(セキュリティレベル・最適化など)
  • Compression Rules
  • 圧縮の方式(Brotli・gzip など)を選ぶ
  • Cache Rules
  • キャッシュの対象・TTL・キー(02号)
  • Snippets
  • 短い JavaScript を当てる(有料プラン)
  • Cloud Connector
  • パスでクラウドのストレージへ振り分ける
  • 式で書けないほど複雑になったら、Workers(18号)の出番
  • ゾーン全体の設定を、条件つきで上書きする仲間たち。

Page Rules は、もう新しく作れない

古くから Cloudflare を使っている人は、Page Rules という機能を知っているかもしれません。URL の型(example.com/blog/* のような)を条件に、転送・キャッシュ・各種の設定をまとめて変えられる、万能のルールでした。

でも、Page Rules には限界がありました。

限界中身
条件が URL の型だけ国・ヘッダー・Cookie などで分けられない
本数が少ないプランごとの上限が小さい
何でも屋1つのルールに色々な設定が混ざり、順番や優先が分かりにくい

そこで Cloudflare は、役目ごとの新しいルールを作り、Page Rules を非推奨(deprecated)にしました。2025年の初めからは、新しい Page Rules を作ることはできません。既存の Page Rules は、Cloudflare が順に新しいルールへ自動で移しています。

Page Rules の設定移り先
Forwarding URL(転送)Redirect Rules / Bulk Redirects
Cache Level・Edge Cache TTL などCache Rules
Host Header Override・Resolve OverrideOrigin Rules
Security Level・各種の最適化Configuration Rules

古い記事やブログには、今も Page Rules を使った手順が多く残っています。これから作るなら、最初から新しいルールで書いてください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • Page Rules は、もう新しく作れない
  • Page Rules(旧)
  • 転送(Forwarding)
  • → Redirect Rules
  • URL の型だけが条件・本数も少ない
  • キャッシュの設定
  • → Cache Rules
  • Host・行き先
  • → Origin Rules
  • 個別の設定
  • → Configuration
  • 2025年から新しい Page Rules は作れない。既存のものは Cloudflare が順に移行している
  • これから作るなら、最初から新しいルールで書く
  • 古い万能ルール。役目ごとの新しいルールへ移された。

料金と制限

ルールは、無料プランから使えます。この号で扱った種類の多くは、無料プランでも作れます。

項目内容
無料プランで使えるものRedirect Rules・Bulk Redirects・Transform Rules・Origin Rules・Configuration Rules・Cache Rules など
本数種類ごと・ゾーンごとに上限がある。2025年に全プランで引き上げられた
正規表現matches 演算子や regex_replace() などは上位のプラン(Business 以上)
Bulk Redirectsアカウント単位。リストに入れられる件数の上限はプランで違う
Snippets有料プラン
一部の上書きOrigin Rules の一部などは上位プランに限られることがある

ルールの本数の上限は、2025年の見直しで全体に増えました。無料プランでも、種類ごとにある程度の本数が使えます。ただし、数字はプランや時期で変わるので、公式の各ルールの「Availability」の欄で確かめてください。

本数が足りなくなってきたら、まずルールをまとめられないかを考えます。例えば、同じ転送を10件書く代わりに、in {"/a" "/b" "/c"} のように一覧で条件を書いたり、Bulk Redirects に移したりできます。

※2026年9月時点の情報です。料金・上限は変わるので、公式で確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • 料金と制限
  • 無料プラン
  • 転送・書き換え・Origin・Configuration など
  • 本数
  • 種類ごと・ゾーンごとに上限(2025年に引き上げ)
  • 正規表現
  • matches などは上位のプラン(Business 以上)
  • Bulk Redirects
  • アカウント単位。件数の上限はプランで違う
  • Snippets
  • 有料プラン
  • 2026年9月時点。料金・上限は変わるので公式で確かめること
  • ルールは無料プランから使える。本数と正規表現はプランで違う。

よくある落とし穴

ルールは強力なぶん、ちょっとした書き間違いがサイト全体に効いてしまいます。

失敗なぜ起きるか対策
転送が無限に回る転送先の URL も、同じルールの条件に当たる条件に「転送先ではない」ことを入れる
転送が効かない転送したい名前に DNS の行が無い使わない番号の A 行をオレンジで置く(01号)
後のルールが当たらない書き換え後の URL で判定されるのを忘れた段の順番を意識して条件を書く
直したのに古い転送のまま301 はブラウザが長く覚える試すときは 302。確かめてから 301
HTTPS の転送が二重になるオリジンと Cloudflare の両方で転送しているHTTPS への転送は Cloudflare 側に寄せる(03号)

特に4つ目は気づきにくい問題です。ブラウザは 301 の転送を覚えてしまい、ルールを消しても、しばらく古い転送先に飛び続けます。開発者本人のブラウザでだけ直らない、ということがよくあります。まずは 302 で試すのが安全です。

ルールを作ったら、管理画面のトレース(Trace)の機能で、「この URL にリクエストが来たら、どのルールが当たるか」を確かめられます。本番で試す前に使ってください。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • よくある落とし穴
  • 転送先も同じ条件に当たり、リダイレクトが無限に回る
  • 転送したい名前に DNS の行が無い(橙の行が1つ要る)
  • 書き換えた後のパスで、別のルールの条件を書いてしまう
  • テスト中に 301 を使い、ブラウザが古い転送を覚える
  • まず 302 で試し、確かめてから 301 に
  • 転送のループと、ルールどうしの順番の取り違えが多い。

他の号とのつながり

号つながり
01 DNS転送だけの名前にも、オレンジの DNS の行が要る
02 CDN とキャッシュCache Rules はルールの一種。同じ式で書く
03 SSL/TLSHTTP から HTTPS への転送は Always Use HTTPS か Redirect Rules で
05 WAFカスタムルールも同じルール式。防ぐか通すかを決める
10 ロードバランシング行き先を、健康なサーバーの中から選ぶ
18 Workers式で書けない処理は、コードで書く

この号で覚えたルール式は、05号(WAF)や06号(レート制限)でもそのまま使えます。「どのリクエストか」を表す書き方は、Cloudflare の中で1つに統一されているからです。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
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  • 他の号とのつながり
  • 01 DNS
  • 02 キャッシュ
  • 03 SSL/TLS
  • 転送用の名前にも橙の行
  • Cache Rules も同じ式
  • HTTPS への転送
  • 05 WAF
  • 10 ロードバランシング
  • 18 Workers
  • 同じルール式で守る
  • 行き先を健康で選ぶ
  • 式で書けないときに
  • ルール式は、キャッシュ・WAF・レート制限でも同じ。1回覚えれば使い回せる。

まとめ:エッジの「もし〜なら」で、サーバーを触らずに変える

この号で見たことをまとめます。

項目内容
なぜ要るか転送・ヘッダー・振り分けを、サーバーごとに直すのは重く漏れる
形「もし(ルール式)なら、こうする」。種類ごとに決まった段で当たる
ルール式全部共通。WAF やレート制限とも同じ
転送規則的なら Redirect Rules、大量の個別なら Bulk Redirects
書き換えTransform Rules。URL とヘッダー。利用者には見えない
行き先Origin Rules。パスごとに別のサーバーへ
旧 Page Rules新しく作れない。役目ごとのルールへ
注意転送のループ、段の順番、301 はまず 302 で試す

次の10号では、行き先の選び方をさらに進めて、健康なサーバーを選んで振り分けるロードバランシングを見ていきます。

  • Cloudflare のすべて 09 ― ルール(Redirect・Transform ほか)
  • 14 / 14
  • まとめ:エッジの「もし〜なら」で、サーバーを触らずに変える
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • リクエスト
  • 転送:Redirect Rules・Bulk Redirects
  • 書き換え:URL(Transform Rules)
  • 利用者
  • 書き換え:ヘッダー(Transform Rules)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • 設定:Configuration Rules
  • あなたのサーバー
  • 行き先:Origin Rules
  • キャッシュ:Cache Rules(02号)
  • 転送は Redirect/Bulk、見えない変更は Transform、行き先は Origin Rules
  • Page Rules は使わない。まず 302 で試す
  • 転送・書き換え・行き先・設定。役目ごとのルールを、共通の式で書く。

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