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Cloudflare のすべて ― 1機能ずつ、仕組みと存在理由から / 全35本

Cloudflare 32:分析とログ ― 何が起きているかを見る

発行
アニメモ公式
版
第2版
改訂
コマ
全14

Cloudflare で「何が起きているか」を知るための道具を、なぜ見る必要があるのかから整理します。Cookie を使わない Web Analytics、ゾーンの分析、Workers Logs と wrangler tail とトレース、生のログを外へ送る Logpush、GraphQL Analytics API。有効にしかた・料金・落とし穴まで。

なぜ「動いている」だけでは足りないのか

サイトやアプリを公開して、ブラウザで開いたら表示された。これで一安心、と思うかもしれません。でも、公開した後に本当に知りたいのは、次のようなことです。

「今日は何人来た? どのページがよく読まれている?」「スマホで見ると遅いページはどれ?」「エラーはいつから出ている? 何件くらい?」「攻撃やボットは来ている? ちゃんと止まっている?」「このお金のかかる処理は、1日に何回動いている?」

これらは、見る仕組みを用意しておかないと、誰も教えてくれません。多くの場合、利用者から「動かない」「遅い」と言われて初めて気づき、そこから原因を探し始めることになります。そのときに記録が残っていなければ、何が起きたのかを確かめる手段もありません。

Cloudflare は、利用者とあなたのサーバーの間に立っている(00号)ので、そこを通るすべての通信と、エッジで動くコードの様子を見ることができます。この号では、そのための道具をまとめて見ていきます。

※この号の内容は 2026年9月時点の情報です。無料枠・保存期間・プランごとの提供状況は変わることが多いので、使う前に必ず公式のドキュメントで確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 1 / 14
  • なぜ「動いている」だけでは足りないのか
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ?
  • 利用者
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • 何人来た? どのページが遅い? エラーはいつから? 攻撃は来ている?
  • 利用者から「動かない」と言われてから調べ始めるのでは遅い
  • 遅い・壊れた・攻撃された。見えなければ、気づけない。

Cloudflare では、見る場所が大きく6つある

Cloudflare の「見る」ための道具は、何を知りたいかによって分かれています。

道具何が分かるかどこで計るか
Web Analytics訪問者の数、よく見られるページ、表示の速さ利用者のブラウザ
ゾーンの分析通信の量、国、キャッシュの効き、止めた攻撃エッジ
Workers LogsWorker が出したログ、エラーWorker の中
トレース1回の処理の内訳と、それぞれにかかった時間Worker の中
Logpush1件1件の生のログを、外の保存先へ送るエッジと Worker
GraphQL Analytics API集計された数字を、プログラムから取り出すCloudflare の集計

最初に押さえておきたいのは、「ブラウザで計る」と「エッジで計る」は別物だということです。ブラウザで計る Web Analytics は、実際にページを開いた人を数えます。エッジで計るゾーンの分析は、ボットや API の呼び出しも含め、Cloudflare を通ったすべての通信を数えます。同じ「アクセス数」でも、数字が違って当たり前です。

次のページから、1つずつ見ていきます。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • Cloudflare では、見る場所が大きく6つある
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • 間に立っているから、全部の通信とコードの動きが見える。

Web Analytics:訪問者の数とページの速さを、Cookie なしで

Web Analytics は、Web サイトの訪問者を数える無料の道具です。Google Analytics のような道具と同じ目的ですが、プライバシーを最優先に作られているのが特徴です。

特徴中身
Cookie を使わないブラウザに識別子を保存しない(localStorage なども使わない)
指紋を取らないIP アドレスや端末の特徴から、同じ人を追いかけない
無料どのプランでも使える
速さも計る表示の速さ(Core Web Vitals:LCP・INP・CLS など)を、実際の利用者の環境で計る

仕組みは、ページに小さなスクリプト(ビーコン)を置き、ページが表示されたときに、どのページが、どのくらいの速さで表示されたかを Cloudflare に送る、というものです。

サイトが Cloudflare のプロキシを通っているなら、管理画面で有効にするだけで、Cloudflare がエッジでビーコンを自動的にページに差し込めます。Cloudflare を通っていないサイトでも、渡されるスクリプトのタグを HTML に貼れば使えます。

「誰が」は分かりませんが、「何人が、どのページを、どの国から、どのくらいの速さで見たか」は分かります。多くのサイトには、これで十分です。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 3 / 14
  • Web Analytics:訪問者の数とページの速さを、Cookie なしで
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • 計測の小包
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • ページに小さなスクリプト(ビーコン)を置く。プロキシ中のサイトなら1クリックで自動挿入
  • Cookie も端末の指紋も使わない。表示の速さ(Core Web Vitals)も分かる
  • 無料。個人を追いかけずに、何人がどのページを見たかが分かる。

ゾーンの分析:エッジを通ったすべての通信を数える

ドメイン(ゾーン)を Cloudflare に追加すると、管理画面の分析のページで、そのゾーンを通った通信の様子が見られるようになります。特別な設定は要りません。

見られるもの使い道
リクエスト数・転送量通信の量の変化、急な増加に気づく
キャッシュに当たった割合キャッシュの設定の効き目を見る(02号)
国・地域どこから来ているか
状態コード404 や 5xx のエラーが増えていないか
止めた攻撃・ボットWAF やボット対策が働いているか(05〜07号)

Web Analytics との違いは、ブラウザ以外の通信も全部数えることです。検索エンジンのクローラー、他のサービスからの API の呼び出し、攻撃のためのアクセスも含まれます。逆に、キャッシュされたページの中で JavaScript が動かなかった、といったことは分かりません。

ですから、「人が何人来たか」は Web Analytics で、「サーバーやエッジにどれだけの負荷が来ているか」はゾーンの分析で、と使い分けます。どこまで細かく、どのくらい過去までさかのぼって見られるかは、プランによって違います。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 4 / 14
  • ゾーンの分析:エッジを通ったすべての通信を数える
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • リクエスト数・転送量・キャッシュに当たった割合・国・状態コード・止めた攻撃
  • ボットや API への呼び出しも数える。Web Analytics の数字と合わないのは当たり前
  • ブラウザ以外も含めた、本当の通信の量・国・キャッシュの効き。

Workers Logs:Worker の console.log を保存して検索する

Worker(18号)の中で何が起きているかを知る基本は、ログです。コードの中で console.log() や console.error() を書くと、その内容がログとして出ます。

Workers Logs は、これらのログを Cloudflare の中に保存し、あとから検索できるようにする機能です。wrangler の設定ファイルに次の1行を足してデプロイするだけで有効になります。

toml
[observability]
enabled = true

有効にすると、管理画面の Worker のページで、ログを時間や内容で絞り込んだり、「エラーの件数を1時間ごとに数える」といった集計をしたりできます。例外(キャッチされなかったエラー)や、リクエストの基本情報(URL、状態コード、処理時間など)も自動で記録されます。

アクセスの多い Worker では、全部を残すと量が多くなりすぎます。そういうときは head_sampling_rate で、リクエストの何割だけを記録するかを決めます。1 なら全部、0.1 なら1割です。

ログは、文字列ではなくオブジェクトで書くのがおすすめです。console.log({ event: "checkout", userId, ms }) のように書くと、項目ごとに検索や集計ができるようになります。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • Workers Logs:Worker の console.log を保存して検索する
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • [observability] enabled = true → 管理画面で条件を付けて検索・集計
  • 量が多いなら head_sampling_rate で「何割だけ残すか」を決める
  • 設定に observability を1行書けば、ログが残り、あとから探せる。

その場で見る:wrangler tail でログを流す

Workers Logs が「あとから探す」ための道具だとすれば、wrangler tail は「今まさに起きていること」を眺めるための道具です。

npx wrangler tail my-worker --format pretty
npx wrangler tail my-worker --status error

実行すると、本番で動いている Worker に届いたリクエストと、そのとき出たログが、手元の端末にリアルタイムで流れてきます。--status error を付けると失敗したものだけ、ほかにも HTTP メソッドや検索語で絞り込むオプションがあります。管理画面にも、同じようにリアルタイムでログを見る画面があります。

道具向いている場面
wrangler tailデプロイ直後の確認、再現している最中の不具合を追う
Workers Logs昨日の夜に何が起きたかを調べる、件数を数える

ただし、tail は流れているものを見るだけで、端末を閉じたら何も残りません。本番では Workers Logs を有効にしておき、tail は「今この瞬間を見たい」ときの補助として使いましょう。

ログに書く内容には注意が要ります。パスワード、トークン、クレジットカードの番号、個人を特定できる情報は、ログに書かないのが原則です。ログは多くの人が見られる場所に、長く残るからです。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • その場で見る:wrangler tail でログを流す
  • # wrangler.toml:ログを保存する
  • [observability]
  • enabled = true
  • head_sampling_rate = 1    # 1 は全部、0.1 は1割だけ
  • # 端末:本番の Worker のログを、いま流れているぶんだけ見る
  • $ npx wrangler tail my-worker --format pretty
  • $ npx wrangler tail my-worker --status error    # 失敗だけ
  • # コード:オブジェクトで書くと、あとで項目ごとに検索できる
  • console.log({ event: "checkout", userId, ms: Date.now() - start });
  • 今まさに起きていることを、手元の端末で眺める。

トレース:1回の処理が、どこで時間を使ったか

「この API は遅い」と分かっても、どこで遅いのかが分からなければ直せません。自分のコードの計算なのか、KV(20号)や D1(23号)からの読み出しなのか、外部の API の待ち時間なのか。

トレースは、1回のリクエストの処理を、中で呼んだものごとに区切って、それぞれにかかった時間を記録する仕組みです。管理画面では、横に並んだ線の長さとして表示されるので、どこで長く待っていたかが一目で分かります。

Workers では、設定ファイルに次のように書くと、トレースが有効になります。

toml
[observability.traces]
enabled = true

fetch() による外部への呼び出しや、KV・D1・R2 などのバインディングの呼び出しは、コードを書き換えなくても自動で記録されます。

見えること例
待ち時間の内訳D1 の問い合わせに 300 ミリ秒、外部 API に 800 ミリ秒
呼び出しの回数1回の処理で KV を 20 回読んでいた
失敗した場所外部 API がエラーを返していた

トレースは比較的新しい機能で、料金や提供の条件が変わっている途中です。使う前に公式のページで現在の扱いを確かめてください。また、OpenTelemetry に対応した外部のサービスへ、ログやトレースを送り出すこともできます。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • トレース:1回の処理が、どこで時間を使ったか
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • [observability.traces] enabled = true。fetch や KV・D1 の呼び出しが自動で記録される
  • 「遅い」の原因が、自分のコードか、データベースか、外の API かを切り分けられる
  • KV・D1・外部 API…どこで待っていたかが、線の長さで見える。

Logpush:生のログを、外の保存先へ送り続ける

ここまでの道具は、Cloudflare の管理画面の中で見るものでした。でも、次のような要望もあります。

「1年分のログを残しておきたい(監査や法令のため)」「他のシステムのログと合わせて調べたい」「自分たちのセキュリティ監視の仕組み(SIEM)に入れたい」

Logpush は、Cloudflare が記録した1件1件の生のログを、決めた保存先へ自動で送り続ける機能です。

送り先の例使い道
R2(22号)・Amazon S3・Google Cloud Storage安く長く保存する
Datadog・Splunk・New Relic など検索・監視・通知
自分で用意した HTTP の受け口独自の処理

送れるログには、ゾーンの HTTP リクエストのログ、ファイアウォールのイベント、Workers の実行のログ(Workers Trace Events)などがあります。「どの種類のログの、どの項目を、どこへ」を登録すると、あとは Cloudflare が一定の間隔でまとめて送ってくれます。

ゾーンの HTTP ログの Logpush は上位のプラン(Business・Enterprise)の機能です。Workers のログの Logpush は Workers Paid プランで使え、wrangler の設定に logpush = true を書いて有効にします。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • Logpush:生のログを、外の保存先へ送り続ける
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • R2・SIEM など
  • 送り先:R2・S3 などの保存場所、Datadog・Splunk などの分析サービス
  • ゾーンの HTTP ログは上位プラン、Workers のログは Workers Paid で使える
  • 長く残す・他のログと合わせて調べる・監査に使う、のために。

GraphQL Analytics API:数字をプログラムで取り出す

管理画面のグラフの元になっている数字は、GraphQL Analytics API から取り出せます。GraphQL は、「どのデータの、どの項目が欲しいか」を1つの問い合わせで指定できる API の形式です。

たとえば、あるゾーンの直近のリクエスト数・転送量・キャッシュから返した数を日ごとに取るなら、次のように問い合わせます。

POST https://api.cloudflare.com/client/v4/graphql

query {
  viewer {
    zones(filter: { zoneTag: "ゾーンID" }) {
      httpRequests1dGroups(limit: 7, filter: { date_geq: "2026-09-01" }) {
        dimensions { date }
        sum { requests bytes cachedRequests }
      }
    }
  }
}

認証には、分析の読み取り権限を持つ API トークンを使います。

使い道例
自分のダッシュボード社内の画面に、複数のゾーンの数字をまとめて出す
定期レポートCron Triggers(25号)で毎朝集計して、チャットに送る
異常の検知エラーの割合が急に増えたら通知する

ゾーンの通信だけでなく、Workers の実行回数や、ほかの製品の数字も取り出せます。どんなデータセットがあるかは、公式のスキーマの説明で確かめられます。無料プランでも使えますが、さかのぼれる期間や細かさはプランによって違います。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • GraphQL Analytics API:数字をプログラムで取り出す
  • POST https://api.cloudflare.com/client/v4/graphql
  • query {
  • viewer {
  • zones(filter: { zoneTag: "ゾーンID" }) {
  • httpRequests1dGroups(limit: 7, filter: { date_geq: "2026-09-01" }) {
  • dimensions { date }
  • sum { requests bytes cachedRequests }
  • }
  • }
  • }
  • }
  • 管理画面のグラフと同じ数字を、自分の集計や通知に使う。

導入:それぞれの有効にしかた

6つの道具を、どう有効にするかをまとめます。

道具有効にしかた
Web Analytics管理画面の Web Analytics で、サイトを追加する。プロキシ中のサイトなら自動挿入を選べる。そうでなければスクリプトのタグを貼る
ゾーンの分析ドメインを Cloudflare に追加した時点で見られる
Workers Logswrangler の設定に [observability] enabled = true を書いてデプロイ
wrangler tail設定は不要。npx wrangler tail を実行するだけ
トレース[observability.traces] enabled = true を書いてデプロイ
Logpush管理画面か API で、送るログの種類と送り先を登録する
GraphQL API分析の読み取り権限を持つ API トークンを作る

新しくサイトやアプリを作ったら、まず Web Analytics と Workers Logs をオンにしておくのがおすすめです。どちらも手間がほとんどかからず、問題が起きたときに「記録が無い」という事態を避けられます。

Logpush や GraphQL API は、運用が本格的になってから、必要に応じて足していけば十分です。

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  • 導入:それぞれの有効にしかた
  • Web Analytics
  • 管理画面で有効にする(プロキシ中なら自動挿入)
  • ゾーンの分析
  • ドメインを追加した時点で見られる
  • Workers Logs
  • [observability] enabled = true でデプロイ
  • トレース
  • [observability.traces] enabled = true
  • Logpush
  • 管理画面か API で「何を・どこへ」を登録
  • GraphQL API
  • 読み取り権限の API トークンを作る
  • Web Analytics とゾーンの分析は、ほぼ何もしなくても始まる。

料金と制限:無料で見られる範囲は広い

2026年9月時点の料金と主な制限の骨格です。

道具料金・制限
Web Analytics無料
ゾーンの分析全プランで見られる。細かさ・さかのぼれる期間はプランによる
Workers Logs(無料プラン)1日 20 万件まで、保存は 3日間
Workers Logs(Workers Paid)月 2,000 万件まで込み、保存は 7日間。超えた分は 100 万件あたりの従量課金
Logpushゾーンの HTTP ログは Business・Enterprise。Workers のログは Workers Paid
GraphQL Analytics API全プランで使える。取れる期間や項目はプランによる

Workers Logs の件数は、ログ1行ごと(とリクエストの記録)で数えます。1回のリクエストで console.log を10回書けば、それだけ件数が増えます。アクセスの多い Worker では、head_sampling_rate で記録する割合を下げるか、ログの量を見直しましょう。

保存期間を過ぎたログは消えます。長く残したいものは、Logpush で R2 などに送っておきます。

数字は変わることがあるので、公式の Pricing と Limits のページで確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
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  • 料金と制限:無料で見られる範囲は広い
  • Web Analytics
  • 無料
  • ゾーンの分析
  • 全プランで見られる(細かさ・期間はプラン次第)
  • Workers Logs(無料)
  • 1日 20 万件・3日間保存
  • Workers Logs(有料)
  • 月 2,000 万件込み・7日間。以降は従量
  • Logpush
  • ゾーンのログは上位プラン、Workers は Paid
  • GraphQL API
  • 全プランで使える(取れる期間はプラン次第)
  • 2026年9月時点。料金・上限は変わるので公式で確かめること
  • ログを長く・たくさん残すほど、お金がかかる。

よくある落とし穴

分析とログでつまずきやすい点です。

落とし穴どうするか
ログに秘密を書いてしまうパスワード・トークン・個人情報はログに出さない。出す前に伏せる
数字が合わないと悩むWeb Analytics(ブラウザで計る)とゾーンの分析(エッジで数える)は数え方が違う
無料枠をすぐ使い切るログを出しすぎていないか見直す。サンプリングで割合を下げる
tail だけに頼る閉じたら残らない。Workers Logs を有効にしておく
文字列だけのログあとで絞り込めない。項目の付いたオブジェクトで書く
昔のことが分からない保存期間を過ぎたら消える。必要なら Logpush で外へ

とくに最初の点は、事故につながります。ログは、開発者や運用の担当者、場合によっては外部のサービスまで、多くの人や仕組みが見る場所です。「ログに書いたものは、誰かに見られる」と考えて書きましょう。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 12 / 14
  • よくある落とし穴
  • console.log にパスワード・トークン・個人情報を書く
  • Web Analytics とゾーンの分析の数字が合わない、と悩む
  • ログを全部残して、無料枠・保存期間をすぐ使い切る
  • wrangler tail だけに頼る → 閉じたら何も残らない
  • ログは項目の付いたオブジェクトで書き、あとで絞り込む
  • ログに秘密を書かない。数字の「数え方」の違いを知っておく。

他の機能とのつながり

「見る」ための道具は、ほかのすべての号の機能の効き目を確かめる場所です。

機能ここで見ること号
CDN とキャッシュキャッシュに当たった割合02
WAF・レート制限・ボット対策止めた攻撃、誤って止めた通信05〜07
Workersログ、エラー、トレース18
R2Logpush の安い送り先22
Cron TriggersGraphQL API で集計して、定期的に送る25
AI GatewayAI の呼び出しの記録と費用(こちらは専用の画面)30
TerraformLogpush の設定などをコードで管理する34

また、アプリ独自の数字(「今日の購入数」「AI の回答にかかった時間」など)を記録して集計したいときは、Workers から書き込める Workers Analytics Engine という仕組みもあります。数字を大量に書き込み、あとで SQL で集計する用途に向いています。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 13 / 14
  • 他の機能とのつながり
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • WAF・ボット:止めた攻撃を見る(05〜07)
  • CDN:キャッシュに当たった割合(02)
  • 利用者
  • Workers:ログ・トレース(18)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • R2:Logpush の送り先(22)
  • あなたのサーバー
  • AI Gateway:AI の呼び出しの記録(30)
  • Terraform:Logpush の設定をコードで(34)
  • 守り・配信・コード・AI、どの号の機能もここで「効き目」を見る。

まとめ:何を知りたいかで、見る場所を選ぶ

この号で見たことをまとめます。

知りたいこと使う道具
何人が、どのページを、どの速さで見たかWeb Analytics(Cookie なし・無料)
エッジにどれだけ通信が来て、何を止めたかゾーンの分析
Worker で何が起きたか(あとから)Workers Logs([observability] enabled = true)
Worker で何が起きているか(今)wrangler tail
どこで時間がかかっているかトレース
生のログを長く残す・外で調べるLogpush(R2・SIEM など)
数字を自分の仕組みで使うGraphQL Analytics API

まずは Web Analytics と Workers Logs をオンにする。困ったら tail とトレースで原因を探し、運用が本格的になったら Logpush と GraphQL API を足す。この順で考えると迷いません。次の33号では、企業のネットワークそのものを Cloudflare につなぐ Magic Transit と Magic WAN を見ていきます。

  • Cloudflare のすべて 32 ― 分析とログ
  • 14 / 14
  • まとめ:何を知りたいかで、見る場所を選ぶ
  • Cloudflare のエッジ(ここで見えるもの)
  • Web Analytics:ブラウザで計る(Cookie なし)
  • ゾーンの分析:エッジを通った通信を数える
  • 利用者
  • Workers Logs:console.log を保存して検索
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • トレース:1回の処理の内訳と時間
  • あなたのサーバー
  • Logpush:生のログを外の保存先へ送る
  • GraphQL API:数字をプログラムで取り出す
  • R2・SIEM など
  • まず Web Analytics と Workers Logs をオンに。困ったら tail とトレース
  • 長く残す・他と合わせて調べるなら Logpush、数字を自動で使うなら GraphQL
  • 人数は Web Analytics、通信は分析、コードはログ、保管は Logpush。

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