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Cloudflare のすべて ― 1機能ずつ、仕組みと存在理由から / 全35本

Cloudflare 05:WAF ― リクエストの中身を読んで止める

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アニメモ公式
版
第1版
改訂
コマ
全15

SQL インジェクションのような「1本の中身が悪い」攻撃を止める WAF を説明します。Cloudflare が更新し続けるマネージドルール(Cloudflare Managed・OWASP)、自分で書くカスタムルールと式の言葉、Block・Managed Challenge・Skip・Log の動作、評価の順番、誤検知との付き合い方、プランごとの違いまで。

普通に見えるリクエストに、悪い中身が混ざる

04号の DDoS 対策は、量で攻撃を見分けました。でも、攻撃のすべてが量で押してくるわけではありません。たった1本のリクエストで、サイトを乗っ取る攻撃もあります。

図の例を見てください。サイトの検索窓に、検索語のふりをして ' OR 1=1 -- という文字を入れて送っています。アプリがこの文字をそのまま SQL に組み込む作りになっていると、「すべての行を返せ」という命令に化けてしまい、データベースの中身が丸ごと返ってきます。これが SQL インジェクションです。

このリクエストは、量としてはたった1本です。送り方もブラウザと同じ、普通の GET です。DDoS 対策から見れば、何の変哲もありません。

同じような「中身が悪い」攻撃は、ほかにもたくさんあります。

攻撃中身
SQL インジェクション入力に SQL を混ぜてデータベースを操る
XSS(クロスサイトスクリプティング)入力に JavaScript を混ぜて、他の利用者のブラウザで動かす
パストラバーサル../../etc/passwd のようにして、見せてはいけないファイルを読む
既知の脆弱性を突く古い WordPress やライブラリの、公開済みの穴を狙う

本来は、アプリ側で穴をふさぐべきものです。でも、すべてのアプリのすべての穴を、今日すぐに直せるとは限りません。

※この号の内容は 2026年9月時点の情報です。料金・本数の上限・提供範囲は変わることがあるので、導入のときは必ず公式のドキュメントで確かめてください。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 普通に見えるリクエストに、悪い中身が混ざる
  • ' OR 1=1 --
  • 利用者
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • GET /search?q=' OR 1=1 -- ← 検索語のふりをした SQL
  • 見た目は普通の1本の GET。アプリに穴があれば、データベースの中身が全部返ってしまう
  • DDoS 対策は量を見る。1本の中身が悪いリクエストは素通りする。

WAF は、リクエストの「中身」を見る門番

そこで登場するのが WAF(Web Application Firewall)です。

ふつうのファイアウォールは、「どこから来たか(送り元の IP)」「どこへ行くか(宛先のポート番号)」しか見ません。443番ポートへの通信を許可したら、その中身が何であっても通します。

WAF は、そこから一歩踏み込んで、HTTP のリクエストの中身を読みます。URL のパスやクエリ、ヘッダー、Cookie、フォームで送られた本文などを見て、「攻撃の型」に当てはまるものを止めます。

Cloudflare の WAF はエッジで動くので、悪いリクエストはオリジンに届く前に止まります。アプリにまだ直していない穴があっても、その穴を突くリクエストがそもそも届かなければ、時間を稼げます。新しい脆弱性が公表されたとき、アプリの修正が間に合うまでのつなぎになるのが、WAF の大きな役割です。

Cloudflare の WAF は、大きく2種類のルールでできています。

種類誰が書くか何を止めるか
マネージドルールCloudflare世の中によくある攻撃の型
カスタムルールあなたあなたのサイトだけの事情

図のエッジの中にある3つの段が、それぞれの置き場所です。真ん中のレート制限は06号で扱います。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • WAF は、リクエストの「中身」を見る門番
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ' OR 1=1 --
  • ① カスタムルール(自分で書く)
  • ② レート制限(06号)
  • 利用者
  • ③ マネージドルール(Cloudflare が書く)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • WAF=Web Application Firewall。ふつうのファイアウォールは「どこから・どの番号へ」しか見ない
  • WAF は HTTP の中身まで読む。アプリを直す前でも、エッジで攻撃を止められる
  • URL・ヘッダー・本文を読み、攻撃の型に当てはまるものを止める。

マネージドルール:Cloudflare が書き、更新し続ける

マネージドルールは、Cloudflare のセキュリティチームが書き、更新し続けているルールの束(ルールセット)です。利用者は、オンにするだけで使えます。

Cloudflare は非常に多くのサイトの通信を見ているので、新しい攻撃の流行や、新しく公表された脆弱性にすばやく反応できます。大きな脆弱性が公表されたとき、その日のうちにルールが追加されることもあります。自分で攻撃の研究をしなくても、その成果を借りられるのが、マネージドルールの価値です。

主なルールセットは次のとおりです。

ルールセット使えるプラン中身
Cloudflare Free Managed Ruleset全プラン(Free でも最初から有効)影響が大きく、広く狙われる脆弱性に絞った版
Cloudflare Managed Ruleset有料プランCloudflare が作る本体。広い範囲の攻撃と、よく使われるソフトの脆弱性
Cloudflare OWASP Core Ruleset有料プランOWASP という団体が公開するルールを、Cloudflare 向けにしたもの

ルールセットの中の1本1本は、管理画面から個別にオフにしたり、動作を変えたりできます。自分のサイトで使っていない技術(たとえば PHP を使っていないのに PHP 向けのルール)は、オフにしても構いません。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
  • 3 / 15
  • マネージドルール:Cloudflare が書き、更新し続ける
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ① カスタムルール(自分で書く)
  • ② レート制限(06号)
  • 利用者
  • ③ マネージドルール(Cloudflare が書く)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • ' OR 1=1 --
  • Free Managed(全プラン・絞った版)/ Cloudflare Managed(有料・本体)
  • OWASP Core(有料・点数で判定)。どれも Cloudflare が更新し続ける
  • 有名な攻撃の型を、自分でルールを書かずに止められる。

OWASP ルール:怪しさを点数で足していく

OWASP Core Ruleset は、ほかのルールと少し違う考え方で動きます。1つの特徴が当たっただけでは止めず、怪しさを点数で足していくのです。

図のように、「SQL で使う記号の並びがある」「UNION SELECT という語がある」「コメント記号がある」といった特徴が見つかるたびに、そのリクエストに点数が足されます。合計点が閾値(しきいち)を超えたときに、はじめて止めます。図の点数は説明のための例です。

こうする理由は、誤検知を減らすためです。たとえば「-- が含まれる」だけで止めると、文章中のダッシュまで止めてしまいます。いくつもの怪しい特徴が重なったときだけ止めれば、正しいリクエストを巻き込みにくくなります。

調整できる主なつまみは2つです。

つまみ意味
閾値(スコアの感度)低い点数で止めるほど厳しい。攻撃は逃しにくいが、誤検知が増える
パラノイアレベルどこまで細かい特徴まで見るか。上げるほど多くのルールが働く

どの特徴で何点ついたかは、Security Events(セキュリティのイベント一覧)で確かめられます。最初は厳しすぎない設定から始め、ログを見ながら締めていくのが定石です。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • OWASP ルール:怪しさを点数で足していく
  • SQL の記号の並び
  • +3
  • UNION SELECT という語
  • +5
  • コメント記号 --
  • +3
  • 怪しい関数名
  • +5
  • 閾値(感度で変わる)
  • 感度を上げると閾値が下がり、よく止める代わりに誤検知も増える
  • どの特徴で何点ついたかは Security Events で見られる
  • 1つの特徴だけでは止めない。合計が閾値を超えたら止める。

カスタムルール:自分のサイトの事情を書く

マネージドルールは「世の中によくある攻撃」を止めます。でも、あなたのサイトだけの事情は、Cloudflare には分かりません。

あなたのサイトの事情カスタムルールにすると
管理画面は日本の社員しか使わない/admin への日本以外からのアクセスを止める
API は POST しか受けないAPI のパスへの POST 以外を止める
この国からの注文は受けていないその国からの /checkout に確認を出す
取引先のサーバーだけが使うパスがあるその IP 以外からのアクセスを止める

これらを書くのがカスタムルールです。図の下にあるのは、「パスが /admin で始まり、かつ送り元の国が日本(JP)ではない」ときに止めるルールです。

カスタムルールは、エッジの中でいちばん先に評価されます。自分のサイトについてはっきり分かっている規則を先に当て、その後ろで、マネージドルールが一般的な攻撃を見る、という役割分担です。

管理画面では、項目と比べ方をプルダウンから選んでルールを組み立てられます。慣れてきたら、次のページで見る「式」を直接書くこともできます。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
  • 5 / 15
  • カスタムルール:自分のサイトの事情を書く
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ① カスタムルール(自分で書く)
  • ② レート制限(06号)
  • 利用者
  • ③ マネージドルール(Cloudflare が書く)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • GET /admin
  • (http.request.uri.path starts_with "/admin" and ip.src.country ne "JP")
  • → 動作:Block(ブロック)
  • 「管理画面は日本からだけ」のような、自分にしか分からない規則。

式の言葉:「項目・比べ方・値」をつなぐ

カスタムルールの条件は、Cloudflare のルールの言葉(Rules language)で書きます。形は「項目 比べ方 値」で、それを and や or でつなぎます。通信の中身を調べる道具 Wireshark の表示フィルターを元にした書き方なので、見たことがある人もいるかもしれません。

項目中身
http.request.uri.pathパス(/login など)
http.request.uri.query? の後ろのクエリ
http.request.methodGET・POST などのメソッド
ip.src送り元の IP アドレス
ip.src.country送り元の国(JP など2文字)
http.user_agentブラウザなどの名乗り(偽れるので過信しない)

比べ方には、eq(等しい)、ne(等しくない)、in {…}(どれか)、contains(含む)、starts_with()(で始まる)などがあります。上位のプランでは、正規表現で比べる matches も使えます。

たとえば「/api/ の下への、POST でも GET でもないリクエスト」は次のように書けます。

starts_with(http.request.uri.path, "/api/")
and not http.request.method in {"GET" "POST"}

この言葉は WAF だけのものではありません。レート制限(06号)、ボットのルール(07号)、リダイレクトや書き換えのルール(09号)でも同じ書き方を使うので、一度覚えると Cloudflare 全体で役に立ちます。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 式の言葉:「項目・比べ方・値」をつなぐ
  • http.request.uri.path
  • パス(/login など)
  • http.request.method
  • GET・POST などのメソッド
  • ip.src / ip.src.country
  • 送り元の IP / 国
  • http.user_agent
  • ブラウザの名乗り
  • eq ne in contains
  • 等しい・違う・どれか・含む
  • and or not ( )
  • 組み合わせ
  • Wireshark の表示フィルターに似た書き方。管理画面でも組み立てられる。

当たったら何をするか:動作(アクション)

条件に当たったリクエストをどうするかを、動作(アクション)で決めます。主なものは次の4つです。

動作何をするか使いどころ
Blockその場で止め、エラーのページを返すはっきり悪いと分かるもの
Managed Challenge怪しさに応じて、ブラウザで確認を挟む。人なら多くはクリックも要らない悪いとは言い切れないが怪しいもの
Skipこの後ろにあるルールを飛ばす誤検知の例外を作る
Log止めずに記録だけ残す(Enterprise プラン向け)新しいルールの効き具合を試す

ほかに、必ず JavaScript の確認を挟む JS Challenge と、必ず操作を求める Interactive Challenge もあります。ただ、Cloudflare は多くの場面で Managed Challenge を勧めています。訪問者の様子を見て、必要なときだけ確認を出すので、人間の利用者への負担が小さいからです。Managed Challenge の裏で動いている仕組みは、08号の Turnstile とも共通しています。

注意したいのは、Challenge はブラウザ向けだということです。スマホアプリや、サーバー同士の API 通信は、確認の画面を表示できません。API のパスに Challenge を掛けると、正しいアプリの通信まで止まってしまいます。API には Block か、レート制限(06号)を使います。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 当たったら何をするか:動作(アクション)
  • Block
  • Managed Challenge
  • その場で止め、エラーを返す
  • 怪しさに応じて確認を出す。人は通れる
  • Skip
  • Log
  • 後ろのルールを飛ばす(例外を作る)
  • 止めずに記録だけ(Enterprise)
  • ほかに JS Challenge・Interactive Challenge もある。迷ったら Managed Challenge
  • 止めるだけではない。確かめる・飛ばす・記録する。

順番が大事:カスタム → レート制限 → マネージド

エッジの中では、ルールが決まった順番で評価されます。

順番段中身
①カスタムルールあなたが書いたルール
②レート制限回数で止めるルール(06号)
③マネージドルールCloudflare が書いたルール

この順番がいちばん効いてくるのが、Skip を使うときです。Skip は「この後ろの段を飛ばす」動作なので、前の段には効きません。

よくある例で考えます。決済サービスから、あなたのサーバーの /webhook/pay に、支払いの通知(Webhook)が届きます。ところが、この通知の本文の形が、マネージドルールには怪しく見えて、止められてしまいました。

このとき、①のカスタムルールで「パスが /webhook/pay で、送り元が決済サービスの IP の範囲なら、③のマネージドルールを Skip する」と書けば、通知は③を通らずにオリジンまで届きます。図の小包がオリジンまで進んでいるのは、その様子です。

大事なのは、Skip の範囲をできるだけ狭くすることです。パスだけで Skip すると、攻撃者がそのパスを狙えば WAF を素通りできてしまいます。パスと送り元の IP、できればメソッドまで絞りましょう。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 順番が大事:カスタム → レート制限 → マネージド
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ① カスタムルール(自分で書く)
  • Webhook
  • ② レート制限(06号)
  • 利用者
  • ③ マネージドルール(Cloudflare が書く)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • 決済サービスの Webhook がマネージドルールに止められる → カスタムルールで「このパスは③を Skip」
  • 範囲はできるだけ狭く:パス+送り元の IP まで絞る。広い Skip は穴になる
  • Skip は「後ろの段を飛ばす」。前の段には効かない。

誤検知:正しいリクエストが止められる

WAF を入れたときに、いちばん悩まされるのが誤検知(false positive)です。攻撃ではない、正しいリクエストが止められてしまうことです。

誤検知が起きやすいのは、たとえば次のような場面です。

場面なぜ止まるか
技術ブログの記事に、SQL のコード例を書いて保存した本文が SQL インジェクションに見える
外部サービスから Webhook が届いた本文の形がふつうのブラウザと違う
管理画面で HTML を含む文章を保存したXSS に見える

誤検知を放っておくと、「保存できない」「決済が反映されない」といった、原因の分かりにくい障害になります。

進め方は次のとおりです。まず Security Events を開き、止められたリクエストを探します。そこには、どのルールが、リクエストのどこを見て止めたのかが出ています。次に、そのルールだけ、そのパスだけを例外にします。ルールセット全体をオフにしたり、サイト全体で Skip したりするのは最後の手段です。

新しいルールを入れるときは、いきなり Block にせず、まず Log(使えるプランなら)や Managed Challenge で数日様子を見るのが安全です。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 誤検知:正しいリクエストが止められる
  • ブログの本文に SQL のコード例を書いたら、保存が止められた
  • 外部サービスからの Webhook が、形が変だとして止められた
  • Security Events で「どのルールが・何を見て」止めたかを確認する
  • そのルールだけ・そのパスだけを例外にする(Skip / 例外)
  • 新しいルールは、まず記録だけ・確認だけで様子を見る
  • WAF 導入の最大の敵。いきなり全部 Block にしない。

導入:管理画面でオンにし、ログを見ながら育てる

WAF の導入は、次の順で進めます。

順番やること補足
1サイトをプロキシ(オレンジの雲)に通す01号。プロキシを通らない通信には WAF は効かない
2マネージドルールを有効にするFree では Free Managed Ruleset が最初から有効
3数日、Security Events を見る何が止められているか、誤検知はないか
4誤検知に例外を作るルールとパスを絞って Skip
5自分のサイトの事情をカスタムルールに書く管理画面・API・国の制限など

場所は、管理画面のドメインの セキュリティ > WAF です。2025年からの新しいセキュリティの管理画面では、カスタムルール・レート制限・マネージドルールが「セキュリティルール」としてまとめて並んでいます。表示は変わることがあるので、見つからないときは公式のドキュメントで場所を確かめてください。

WAF は、オリジンの IP が漏れていると素通りされます。04号で見た「Cloudflare からしか受けない」設定は、WAF にとっても前提です。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 導入:管理画面でオンにし、ログを見ながら育てる
  • プロキシを通す
  • マネージドを有効
  • 数日ログを見る
  • 例外を作る
  • カスタムを足す
  • 場所:セキュリティ > WAF(新しい管理画面では「セキュリティルール」)
  • Free プランでは Free Managed Ruleset が最初から有効になっている
  • マネージドを有効に → 数日ログを見る → 例外とカスタムを足す。

使い方:よくあるカスタムルール

実際によく書かれるカスタムルールを3つ紹介します。

1. 管理画面は日本からだけ(動作:Block)

starts_with(http.request.uri.path, "/wp-admin")
and ip.src.country ne "JP"

2. ログイン画面への送信には確認を挟む(動作:Managed Challenge)

http.request.uri.path eq "/login"
and http.request.method eq "POST"

3. 決済の Webhook だけ、マネージドルールを Skip(動作:Skip)

http.request.uri.path eq "/webhook/pay"
and ip.src in {192.0.2.0/24}

192.0.2.0/24 は説明用の番号です。実際には、決済サービスが公開している送り元の IP の範囲を入れます。

書くときのコツは、1本のルールに1つの目的です。いろいろな条件を1本に詰め込むと、どれが効いて止まったのかが分からなくなります。ルールには、あとで読んで分かる名前を付けましょう。

ルールは管理画面のほか、API や Terraform(34号)でも管理できます。複数のドメインで同じルールを使うなら、コードで管理したほうが間違いが減ります。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 使い方:よくあるカスタムルール
  • # 1. 管理画面は日本からだけ → Block
  • http.request.uri.path starts_with "/wp-admin" and ip.src.country ne "JP"
  • # 2. ログイン画面は確認を挟む → Managed Challenge
  • http.request.uri.path eq "/login" and http.request.method eq "POST"
  • # 3. 決済の Webhook だけ、マネージドを Skip
  • http.request.uri.path eq "/webhook/pay" and ip.src in {192.0.2.0/24}
  • 狭く・具体的に書く。1本で全部をやろうとしない。

料金と制限

WAF は、プランによって使えるルールセットとカスタムルールの本数が変わります。次の表は 2026年9月時点の目安です。

プランマネージドルールカスタムルール
FreeFree Managed Ruleset5本
ProCloudflare Managed Ruleset・OWASP Core Ruleset20本
Business同上100本。正規表現が使える
Enterprise同上さらに多い。Log の動作なども使える

個人のブログや小さなサイトなら、Free の5本でも「管理画面の国の制限」「ログインへの確認」くらいは十分に書けます。一方、よく使われるソフトの脆弱性を広く止めたいなら、Cloudflare Managed Ruleset が使える Pro 以上が目安になります。

ほかにも、盗まれた ID とパスワードの組み合わせでのログインを見つける機能や、ファイルのアップロードの中身を調べる機能など、WAF の周りにはプランや追加契約で使える機能があります。

本数や機能の範囲は見直されることがあります。導入のときは、公式の料金ページとドキュメントで最新の内容を確かめてください。

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  • 料金と制限
  • Free
  • Free Managed Ruleset・カスタムルール5本
  • Pro
  • Cloudflare Managed・OWASP・カスタムルール20本
  • Business
  • カスタムルール100本・正規表現が使える
  • Enterprise
  • 本数がさらに多い・Log の動作・細かい分析
  • 2026年9月時点の目安。本数や機能の範囲は変わるので、公式の料金ページで確かめること
  • Free でも5本のカスタムルールと、絞った版のマネージドが使える。

よくある落とし穴

落とし穴何が起きるかどうするか
広すぎる Skip自社の IP 全体やパス全体で Skip し、そこが穴になるパス・IP・メソッドまで絞る
オリジンの IP が漏れているWAF ごと素通りされるCloudflare からしか受けない(04号)
WAF があるからとアプリを直さないWAF は型に当てはまる攻撃しか止めない。すり抜ける書き方もあるアプリの修正と組み合わせる
順番を忘れる「Skip したのにカスタムルールで止まる」と悩むSkip は後ろの段だけに効く
API に Challenge を掛けるアプリやサーバー同士の通信が止まるAPI には Block かレート制限
国で止めて安心するVPN やクラウドを使えば国は変えられる国の制限は「減らす」手段と考える

いちばん大事なのは3つ目です。WAF は、アプリの穴を直すまでの時間稼ぎであり、アプリの穴そのものを無くすものではありません。攻撃者は、WAF のルールに当たらない書き方を探し続けています。WAF とアプリの修正は、どちらか一方ではなく、両方でやるものです。

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  • よくある落とし穴
  • 広すぎる Skip(例:自社の IP 全体でマネージドを飛ばす)
  • オリジンの IP が漏れていて、WAF ごと素通りされる(04号)
  • WAF があるから、とアプリの脆弱性を直さない
  • ルールの順番を忘れ、Skip が効かないと悩む
  • WAF は時間稼ぎ。アプリの修正と組み合わせる
  • WAF は「入れたら終わり」ではない。穴も詰まりも、設定から生まれる。

他の号とのつながり

エッジの中の守りは、それぞれ見ているものが違います。

号機能何を見て止めるか
04DDoS 対策量と、攻撃の群れの特徴
05WAF(この号)1本のリクエストの中身
06レート制限同じ相手からの回数
07ボット対策人間か機械か
08Turnstileフォームを送ったのが人間か

この号で覚えたルールの言葉は、06号のレート制限、07号のボットのルール、09号のリダイレクトや書き換えのルールでも、そのまま使えます。

WAF がどのリクエストを止めたかは Security Events で見られますが、長期の分析やログの保存は 32号(分析とログ)で扱います。また、ルールをコードで管理する方法は 34号(Wrangler と Terraform)で扱います。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
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  • 他の号とのつながり
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • DDoS 対策(04)
  • WAF カスタムルール(この号)
  • 利用者
  • レート制限(06)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • WAF マネージドルール(この号)
  • あなたのサーバー
  • ボット対策(07)・Turnstile(08)
  • 同じ「式の言葉」を、ルール(09)・レート制限(06)・ボットのルール(07)でも使う
  • どこで止めたかは Security Events と分析(32)で確かめる
  • 量は04、回数は06、人かどうかは07・08。WAF は中身を見る。

まとめ:中身を見て止め、例外は狭く

この号で見たことをまとめます。

項目内容
WAF とはHTTP のリクエストの中身を読み、攻撃の型に当てはまるものを止める門番
なぜ要るか1本の中身が悪い攻撃は、DDoS 対策では止まらない。アプリを直すまでの時間を稼ぐ
マネージドルールCloudflare が書いて更新し続ける。Free でも絞った版が最初から有効
OWASP怪しさを点数で足し、閾値を超えたら止める
カスタムルール自分のサイトの事情を、ルールの言葉で書く
動作Block・Managed Challenge・Skip・Log など
順番カスタム → レート制限 → マネージド。Skip は後ろにだけ効く
誤検知Security Events で原因のルールを見つけ、そこだけを狭く例外にする

WAF は、入れた日がゴールではなく、ログを見ながら育てていくものです。次の06号では、1本の中身ではなく「回数」で止める、レート制限を見ていきます。

  • Cloudflare のすべて 05 ― WAF
  • 15 / 15
  • まとめ:中身を見て止め、例外は狭く
  • Cloudflare のエッジ(世界中の拠点)
  • ① カスタムルール(自分で書く)
  • ② レート制限(06号)
  • 利用者
  • ③ マネージドルール(Cloudflare が書く)
  • オリジン
  • ブラウザ・アプリ
  • あなたのサーバー
  • ' OR 1=1 --
  • 順番:カスタム → レート制限 → マネージド。動作は Block・Challenge・Skip・Log
  • 誤検知は Security Events で原因のルールを見つけ、そこだけ例外に
  • マネージドで型を止め、カスタムで事情を書き、ログで育てる。

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